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先日、お友達から「リンパを流すと血圧に良い」と聞きましたが、本当ですか?

歌うセラピストトレーナー
セラピストスクール校長 加藤 琉魅子です。

この質問は、多くの人が持つ
リンパに対する疑問のひとつです。

「リンパを流すと健康になる」

そんなリンパ神話
すっかり私たちの生活に浸透してきたからか

サロンやイベントのお客様の中には
はっきりとした目的をもって
リンパトリートメントが受けられるサロンを
探している方も少なくありません。

お客様がリンパトリートメントに求める効果

  • 痩せたい
  • 健康になりたい
  • お肌を綺麗にしたい

わたしたちセラピストは
これらの要望に、どう答えていけるでしょうか?

リンパを流すと血圧が安定する理由

「血圧」という言葉は私たちの暮らしのなかに定着していますね。

病院では血圧手帳を発行していて
普段から血圧を計ることを奨励しています。

公共施設や病院には腕を入れるだけで血圧が離れる機械が設置され
誰でも簡単に血圧を計ることができます。

ドラッグストアには手首で計る小型の物から
腕にベルトを巻いて病院で計るのに近いタイプまで揃っています。

では、「血圧」とはどんなもので
血圧を知ることにはどんな意味があるのでしょうか?

血圧とは?

血圧とは血管内の圧力です。心臓から流れる血液が血管を押す力と考えてよいでしょう。血圧は体のすべての血管にありますが、普通は動脈とくに上腕動脈の圧力を意味します。

血圧は、心臓が収縮して血液を押し出すときに高くなり、拡張して血液の流れが緩やかなときは低くなります。血液を押し出すときの最も高い血圧が収縮期血圧(上の血圧)、拡張して血液の流れが緩やかなときの最も低い血圧が拡張期血圧(下の血圧)です。

国立循環器病研究センター循環器病情報サービスより

「血圧」とは、血液の圧力によって血管壁が押される力のことで、心臓から送り出される血液の量(心拍出量)と、血管の硬さ(血管抵抗)によって決まります。心拍出量が大きくなれば血圧は上がり、血管抵抗が小さくなれば、血圧は下がるという関係にあります。

国立循環器病研究センター循環器病情報サービスより

因みに
血圧の単位は、mmHg(ミリメートル水銀柱)で
診察室の血圧計には比重が大きい水銀が入っており
血管を血液が流れる音と、その時の水銀柱の高さで血圧が分かります。

140/90未満が正常血圧ですが
120/80未満が循環器病のリスクが最も低い至適血圧です。
130~139/85~89は正常高値血圧で
高血圧ではありませんが要注意と言われています。

高血圧はなぜ起きる?

高血圧の原因としては
大部分は遺伝と環境(生活習慣)が関係すると言われていますが
腎臓や副腎の病気や薬剤の影響で起きることもあります。

血圧に関係するものは、血管の弾力性腎臓や神経(中枢神経や自律神経)、内分泌系(腎臓や副腎などのホルモン)、血管内皮細胞からの血管収縮、もしくは拡張を進める物質など、多くの因子によって調節されています。食塩の摂取量も重要です。

国立循環器病研究センター循環器病情報サービスより

血液は心臓を出て全身を巡り再び心臓に戻るまでに
約1分間で戻らないと虚血状態になってしまいます。

全身の血管を毛細血管まで全部つなぎ合わせると
約十万キロメートル
実に地球を二周り半の長さを1分で流すのですから
例えば、血管内が老廃物やゴミで一杯になると
血液は渋滞を起こして流れにくくなります。

血液が流れにくくなると
虚血状態にならないように
心臓はポンプの圧力を上げて血液を流そうとします。

これによって血圧が上がることになります。

もう一つ
脳にストレスがかかると
交感神経が優位になる=血管収縮が起こり
これも血圧上昇の原因になります。

高血圧の弊害

こうして血圧が高い状態が続くと血管の内壁は常に圧迫され
血管を構成している平滑筋が硬くなり
次第に弾力性をなくして動脈硬化を起こします。

動脈硬化が進むと
自覚症状はなくとも動脈硬化や心臓肥大をもたらし
脳卒中、心筋梗塞、心不全、不整脈、動脈瘤、腎不全など
多くの循環器病の原因になります。

リンパと血圧の関係

リンパ管は血管の近くにあり
血管中の老廃物や毒素を受け渡す下水管のような役割をするので
リンパを流すと血管の中の老廃物(ゴミ)を掃除でき
血液が流れやすくなるため
心臓はポンプに圧力をかける必要がなくなります。

同時に副交感神経が優位になり
リラクゼーション効果で血管は弛緩し
血液循環が改善されるということになります。

血液循環が改善されれば
当然血管の中には新鮮な酸素と栄養分が送り込まれ
血管も柔軟になります。

また、1998年のノーベル医学賞・生理学賞は
血管内皮細胞から放出され
血管拡張作用を起こす物質NO一酸化窒素の発見に送られました。
医学書院ホームページより

つまり血管内で発生した一酸化窒素は
血管を広げて血流をあげることにより血圧が下がり
脳卒中、心筋梗塞、心不全、不整脈、動脈瘤などの
成人病を予防する効果が期待できることが知られています。

リンパを続けることで起きてきたこと

実際にドリームヒントのお客様からも
サロンに何ヶ月か通ってくださるうちに
「血圧が安定してきたのよ」という
嬉しい報告を受けることがよく起こりました。

体の中で血管が多くある筋肉に触れてリンパを流すと
血管も緩み一酸化窒素が多く作り出されます。

そのため
血液循環も良くなり老廃物が流れやすくなり
血管も柔軟になるため
血圧も自然に安定するのでしょう。

リンパトリートメントは治療ではありません!

リンパと血圧について考えてきましたが
私たちセラピストは医療者ではありません。

お客様から血圧など体調についての相談があった時には
必ず病院で受診されることをお勧めしてください。

お客様の体調に良い変化があったとしても
それはあくまでもお客様自身の身体が快方に向かわれただけで
お手入れを続けた結果起きたことなのです。

トリートメントもあくまでもお手入れのためで
治療を目的にして行うものではないことを
忘れてはいけないと思います。

リンパが何処で何をしているのか学びませんか?

ここまで、リンパと血圧との
関係性についてお伝えしてきました。

ドリームヒントには、現役セラピストさんはもちろん
未経験からセラピストを目指す方にもオススメの
リンパに関する基本を学ぶセミナーがあります。

リンパスクール講師として
校長が長年つちかってきたリンパの基礎理論に
医学的な理論をプラスしたセミナーです。

リンパについてより深く知ることで
免疫力のすごさと人体の神秘を学び
それを伝えていける知識を身につけます。

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