こんにちは、劉です。仕事始めが若干早めの業界なのに、ドリームヒントはいろいろと理由をつけて今週やっと通常営業を開始しました。清須本校のDIYリフォームのために、全く情緒のない年末年始でした。みなさんは良い新年のスタートがきれましたか?

さて、2014年年明け早々、個人的な年賀状を出しそびれて寒中見舞いを書くのに忙しい校長に代わって書かせていただきます。ここ数年のブログやTwitter、Facebookで、たくさんの情報を目にする機会が増えました。おうちサロンの開業を機に、手始めにブログやFacebookを始める方も多く、みなさん色々な内容の情報を発信していらっしゃいます。

そんな中、昨年からちょっと気になる事例が続いているので、今回はそれをまずご紹介したいと思います。

「それってホント?!」と思う内容のシェア記事

BABY IN CARシール(NEVERまとめさんからお借りしました)
BABY IN CARシール
NEVERまとめさんからお借りした(C)AUTOBUCKS画像です。)

これは昨年末頃からFacebookでいろんな方がシェアしている記事のお話です。みなさんも多分目にした事がある話かもしれません。私の友人・知人だけでも4種類のシェア記事があり、どれもまことしやかな内容だったのですが、私は面白い説だと思ったので【シェア】しました。今回の内容を書くきっかけにもなったシェア記事だったので、内容を簡単にご紹介します。

【BABY IN CAR】シールの発祥に関する記事の内容

このシールは、事故車の中に赤ん坊が取り残され発見が遅れたために死亡した事例から作成されたもので、交通事故の際は子どもを一番に助けて下さい、と言う意味でつけるものである。

— 私が目にした複数のシェア記事内容を総称

時事に疎い校長ですら「何となくいかがわしい」と言っていましたが、私が「いかがわしい」と思った理由は

  • お話があまりにも綺麗すぎる
  • 全てのシェア記事で、この事故が発生したと言う時間や場所が違っていた
  • 全てのシェア記事で、シェア元となるソースが記載されていなかった

これは私の感覚的なものでした。それでも、このシェア記事に酷似したシェア記事がすごい勢いでシェアされていたので、試しにググってみたら面白い記事を見つけました。

『BABY IN CAR』NEVERまとめ

— — Googleで「BABY IN CAR」で検索してトップに出たサイト

こちらのサイトでは、日々ネット上で話題になったことを検証してまとめていらっしゃる、とても興味深いサイトです。BABY IN CARシールについてしっかり調べられていた様です。情報元サイトも面白いですので、一度目を通してみてください。

シェアした後に知った事実に冷や汗

電車とホームの間に挟まれた女性を助ける乗客たちの画像(ラカタンさんからお借りしました。)
電車とホームの間に挟まれた女性を助ける乗客たちの画像
ラカタンさんからお借りしました。)

みなさんもこの画像に見覚えがあると思います。2013年7月22日、さいたま市のJRで乗客ら40人が電車を押してホームと車両に挟まれた女性を救出した事が、ネットを中心に話題になりました。今回画像をお借りしたラカタンさんによると、海外では「真のヒーロー」として取り沙汰されたようです。

私はこのニュースをFacebookのシェア記事(記事1)で知りました。日本人の気質がよく現れたステキなニュースだったので、思わず勢いで【シェア】をしました。今考えると、あれは絶対にシェアをしてはいけない記事でしたが(何故かはSTEP1で…)、私はFacebookを仕事よりもプライベートで使用しているので、その頃はあまり深い事を考えずにシェアしていました。

ところが、私が最初に記事をシェアしたほんの数時間後に、別の友人がシェアした大手ニュースサイトの記事(記事2)に、全く同じ写真が掲載されているのを目にしました。その画像は、明らかに携帯かスマホで撮られた写真で、数時間前に私がシェアした全く別のFacebookページによって投稿された記事の写真と明らかに同じ写真でした。

私は慌てて大手ニュースサイトの記事(記事2)を確認して愕然としました。始めにシェアした記事(記事1)との相違点があまりに多過ぎたんです。

記事1と記事2の相違点

  • 記事1には「ホームと車両の間にを挟まれた」と書かれていた
  • 記事1には、事件(?)が起きたのが何線だったかはおろか、何市だったかすら記載されていなかった
  • 記事1に使用されている画像は、明らかに記事2以外の大手ニュースサイトで使用されている画像とは違っていた

あまりの衝撃に、慌てて記事2をシェアして、記事2のシェアを削除し、記事1をシェアしていたFacebookページの「いいね」を取り消しました。

じゃあ、具体的にどうしたら良いの??

お待たせしました。やっと本題に入ります。今回のテーマは『良い情報発信』です。なのに何故ど初っぱなからこんなに長々と、発信ではなく受信について書いたのか、もうお気づきでしょうか?

では、私なりにまとめた『良い情報発信の為の3ステップ』をご紹介します。

STEP1:情報の出どころを確かめる

この情報化社会、あなたから発信される情報のほとんどが、100%あなた自身から創り出されたものではありません。必ず何らかのきっかけがあって、そこにあなた自身の知識と経験に基づいた解釈がくっついて、初めて新しい情報になります。

発信する情報 = 誰かの情報 × 自分の解釈

と言うことは、『誰かの情報』が間違っていた場合、どんなに『自分の解釈』が真実に基づいた正しいものであったとしても、『発信する情報』は間違ったものになってしまいます。

先に紹介した2つの事例でも、ちょっとググれば誰でも真相が分かるものでした。巷にあふれる『いかがわしい情報』は、ほとんどの場合がそうです。刑事ドラマでも必ず

『裏はとったのか?!』

と新米刑事がベテラン刑事に怒られていますよね。大切なのは、きっかけになった情報はとにかく『裏をとる』ことです。インターネットがあれば、そんなに大変な事ではありませんよね。

私がいつもする裏どり方法は、まずはウィキピディア(世界的な百科事典サイト)で概要を把握しておいてから、Googleなどの検索エンジンでより多くの視点を入手して、最後に自分の意見をまとめてよりユニーク(独創的)な解釈にしていきます。

STEP2:その情報は発信できるものか確認する

STEP1で作り上げた『発信する情報』ですが、発信前にもう1つ確認しておきたい事があります。STEP2は、個人的なブログやFacebook・Twitterでのつぶやきであったとしても、そこから大問題になるケースも出ていますので、面倒でも以下の点について必ず確認してください。

情報発信の前に確認すること

  • 法的に問題が無いか。特に、薬事法や広告規制法、所属する業界や団体・組織の規約などに違反していないか。
  • プライバシーに配慮しているか。特に、事例を紹介する場合で特定の人物について書く場合は、たとえそれが事実であって匿名や顔が写らないようにするなどの配慮があったとしても、本人に掲載許可を取っていない場合はできれば掲載しない。
  • モラルに反していないか。社会的モラルはもちろん、人として守るべきモラルを犯していないか。
  • 意見の強要になっていないか。多角的ではない、一方的な意見の押しつけになっていないか。
  • 他者を傷つけたり、過激な内容になっていないか。特定の人や思想を著しく敵視した内容になっていないか。

例えば、法的な問題では細かな言葉の選び方で、法律に触れる場合もあります。また、特定の団体や組織に所属しているからこそ得られる情報は、通常その外部に開示することは禁止されています。

もちろん、うちのスクールで学んだことを、手順やポイントなどを事細かく書き出して紹介しないでくださいね!また、エステ業界では多いことですが、以前働いていたサロンや、ましてや現在働いているサロンで教わった事を書く場合は、必ずそのサロンの責任者や所属団体・組織に許可を取ってから掲載してくださいね。

海外のネットユーザーに比べて、日本では匿名利用が当たり前のmixiや2チャンネルがきっかけだったネットユーザーの多いせいか、とかくWeb上では『モラルに反した』書き込みや『過激で他者を傷つける』コメントをするユーザーがとても多く見られます。

また、Web上では顔が見えないので、ランチしながら話している時よりもキツくなる傾向があるので、言葉の選び方はとても大切です。また、この時点で『多角的視野で検証されているか』を再度確認することで、発信される情報がより多くの人に受け入れてもらいやすくなります。

STEP3:著作権をはっきりさせた発信をする

きっとこのSTEP3が、みなさんには一番面倒に感じられる作業だと思います。ブログやFacebook、Twitterなど、匿名で手軽に情報発信ができてしまうWeb上では、その必要性すら気づいていないユーザーも多く居ます。

特に、海外に比べて日本ではなぜか『著作権』に対する意識が低く、例えば

どこかで読んだり聞いたりした内容を
自分なりの言葉で書き換える

これは『著作権侵害』です。

とても良く耳にする言葉ですが、とんでもない誤解です。私の恩師の言葉を借りると「著作物そのものの状態ではなく、著作物の本質的特長に著作権がかけられている。」と言うことだそうです。(何だか日本語にするとえらい難しいなぁ。)要するに、音楽の場合は編曲してもしなくても再販する場合には著作権保持者の許可が必要なのと同じで、本や物語の場合はその中で紹介されている思想や主張・物語などは文言が同じでなくても再販する場合には許可が必要、と言うことです。

また、同じようにニュースにも著作権があります。日本では、ジャーナリズムが学問としてメジャーでないせいであまり知られていませんが、

ニュースで使われる文章や画像・映像には
必ず著作権が存在します!

だから、冒頭に紹介したニュースを元にしたシェア記事の例題のように、大手ニュースサイト(正しくは『ポータルサイト』)はニュースに掲載する画像をそれぞれ独自に入手して使用しています。リンクしていたmsn産経ニュースでは独自に作成した『南浦和駅転落者救出のイメージ』画像しか掲載していませんよね。推測するに、msn産経ニュースでは実際の画像が入手できなかったか、当初は他社と同じ画像を使用していて最終的に著作権を買い取るより自作する方がコスパが良かったのか、何か事情があったのでしょう。

では、こうした著作物は紹介せずに、『自分の解釈』のみを掲載するべきでしょうか?もちろん答えは『NO』です。個人的なブログであったとしても、きっかけも紹介せず自分の意見だけを掲載している記事なんて、お金を払ったって読んではもらえません。他の人の著作物は、引用元やソース(情報元)が何かわかるように掲載すれば良いんです。

引用元やソースの掲載が必要な場合の一例

  • 新しく身に付けた技術をつかったメニューをホームページに掲載
  • 同業者の活動に刺激を受けて始めたイベントをFacebookページに掲載
  • 無料セミナーで聞いた内容を自分なりに解釈し直してブログで紹介
  • 友人がシェアしていたニュースをFacebookでシェアする
  • イベントに参加した感想をTwitterでつぶやく

まとめ

今回のコラムテーマーを決めるきっかけにもなったBABY IN CARに関するシェア記事には、このサインはアメリカで起きた事故が発祥だと書かれていました。そこで私が一番「いかがわしい」と思った理由は、私自身の体験でした。

私がアメリカに住んでいた4年半の間に、一度も「BABY IN CAR」やそれに似たサインを付けた車に遭遇したことはありませんでした。また、アメリカで夫の叔母が亡くなった時、遺体と車体が検視解剖と鑑識に回されて戻ってくるまでに2ヶ月かかりました。日本の感覚ではあり得ないきっちりした捜査に、当時はとても驚きました。

それでも、ネット上で情報発信をする場合、自分の知識と経験だけで情報を精査することはかえって視野を狭くするので良くない、と私は考えています。大切なのは、1つの情報だけで全てを判断せず、より多くの角度からの情報や意見を見聞きして、それを基に『自分らしい視点』を見つけることだと思います。

個人事業主にとってWebは、上手に活用すれば、手軽に始められて、とても良い営業ツールになるはずです。ただし、手軽な分だけ自分の知らないリスクも多い事を知って、少しずつで良いので知識と経験を増やしていっていただければ嬉しいです。